まず言っておきたい。ヒロは「無難な人選」ではなかった
組織の人選には二種類ある。 問題を起こさなさそうな人を送る場合と、 その場所から何かを持ち帰ってくる人を送る場合だ。 ヒロは明らかに後者だった。
誤解のないように言うが、ヒロは派手な人間ではない。 声が大きいわけでもない。 自分の功績を先に並べるタイプでもない。 だが、こちらはそういうところを見て人を選んではいない。
私が見ていたのは別の点だ。 ヒロは、説明されていない部分を勝手に想像で埋めない。 まず見る。 まず聞く。 まず、その場の温度を感じる。 そして、軽々しく分かったふりをしない。 これは遠隔地へ送る人材として、非常に大きい。
アラスカのような土地では、とくにそうだ。 スケールが大きい場所へ行くと、 人はすぐに「分かったようなこと」を言いたくなる。 だがヒロは、そこを急がない。 そこがいい。 そこに私は、送り出す価値を見ていた。